なぜ総量規制は生まれたのか?

多重債務に陥る人が多く社会問題に

総量規制ができる前、貸金業法が改正される前には収入の無い方でもそれに変わるものがあれば、簡単にカードローンでお金を借りることができました。

 

収入の無い学生や、専業主婦などもお金を借りることができ、それはそれで便利だったと言えます。

 

しかし、返済のあてとなる収入がないわけですから、すぐに返済に行き詰まる確率も高いわけで、その結果、次々借入先を増やしていき多重債務に陥ってしまう方が多かったのです。

 

実は昔から多重債務者は存在し、サラ金地獄といった言葉も報道されていました。

 

1990年代に入りそうした負のイメージを脱却するためにテレビCMをたくさん流し、サラ金から消費者金融と言う呼び名を広めるようになりました。無人契約機が登場したのも、この頃ですね。

 

このような流れからより手軽にキャッシングができるようになり、2000年頃になりますと長引く不況の影響でさらに多重債務者は増え、自己破産に追い込まれたり、自殺者があとを絶たなかったりという社会問題となったのです。

 

改正貸金業法の成立

このような多重債務者問題の解決と安心して利用できる貸金市場の構築などの考えから、2006年に改正貸金業法が成立しました。

 

改正貸金業法でどんなことが変わったのかというと、一つには上限金利の引下げ(グレーゾーン金利の撤廃)、もう一つには総量規制の導入です。

 

総量規制を導入したのは、返済能力を超える過剰な貸付けを抑制するためです。

 

法的に借り入れ限度額を決めてしまえば、多重債務に陥る専業主婦の借り入れも難しくなりますし(例外貸付けとして認められてはいますが)、また収入がある方も上限があるため多重債務で借りすぎてしまう前に強制的にでもストップさせられるという訳です。

 

ただ、この改正には貸金業者側としても相応の準備期間が必要でしたし、また利用者側からみても影響がかなり大きいと予想されましたので、すぐに改正されるのではなく、2010年に施行というように準備期間をおいて段階的に施行されました。

 

総量規制による悪影響

このように影響の大きいことがあらかじめ予測される法改正でしたから当然、総量規制の導入には反対意見も多くありました。

 

今まで普通に借りられていた方が突然、法的に借りられなくなってしまったとしても、お金を借りたいという需要は残りますので、資金の調達のために需要が闇金に流れてしまうのではないかという可能性も示唆されました。

 

実際のところ、総量規制施行後に闇金へ流れてしまった方というのは少なくはなかったでしょう。

 

また貸金業法改正後、今までできるだけ多くの方に融資をすることで、利息収入による利益を得てきた消費者金融などの貸金業者の経営は苦しくなり、統廃合や業界の再編が余儀なくされました。

 

利用者にとっても貸金業者にとっても、改正貸金業法はよくも悪くも大きな影響を及ぼしたのです。